大口病院連続点滴中毒死事件の犯人、久保木愛弓被告の刑が確定し、無期懲役となりました。
看護師の立場で、入院患者の点滴に消毒液を入れて、3人を殺害した罪に問われた事件です。
このような残忍な事件を起こした久保木愛弓被告は、一体どのような生い立ちだったのでしょうか?
連続殺人に駆り立てた環境にも注目しました。
久保木愛弓の生い立ちや経歴が壮絶!
久保木愛弓被告の生い立ちや経歴を詳しく見ていきます。
幼少期~学生時代
久保木愛弓容疑者は、1987年1月に福島県で生まれました。
両親と弟の4人家族です。
小学生まで茨城県水戸市で育ち、中学生になる頃、神奈川県伊勢原市に引っ越し。
父は小学生のころ海外赴任していたため、母と過ごす時間の方が多かったようです。
学力は中の中、どこにでもいる普通の子でした。
性格は大人しくあまり目立たないタイプ。
母親から性格について指摘されることが多く、
- 目つきが悪い
- 愛想良くしなさい
- 積極的になった方がいい
などと注意を受けていたようです。
そんな母に対して久保木被告は、ありのままの自分を受け入れてもらえていないと感じていました。
中学卒業後は、秦野市内の県立高校に進学。
高校時代は、友達ができず一人で過ごすことが増えました。
教室では、推理小説を読んだり、音楽を聴いていたそうです。
卒業後に、横浜市内の看護学校へ進学して、2007年4月に看護師免許を取得しました。
看護師になることは、母の勧めだったそうです。
実習が苦手で苦労したものの、両親に学費を出してもらっていて、奨学金の返済も必要だったため、途中で投げ出すことはしませんでした。
看護士時代(大口病院以前)
看護学校卒業後は、横浜市内の病院に勤務し、回復期のリハビリ病棟に配属されました。
普通の看護士として、業務を難なくこなせていたようです。
しかし、3年目で障害者病棟に異動になりましたが、仕事が合わずに抑うつ状態に。
久保木被告には、あらかじめ決められた手順をこなすことはできるが、臨機応変な対応を求められると混乱してしまう資質がありました。
リハビリ病棟とは違い、患者の急変や死に直面する中で、自分のせいで患者が亡くなったのではないかと思い悩むようになってしまったようです。
休職後、系列の老人ホームや診療所に異動になりました。
プライベートでは、出会い系サイトで会った男性と会い、褒めてもらえることで心を満たしていたようです。
看護士時代(大口病院)
2015年から横浜の大口病院に勤務し始めました。
大口病院は、終末期患者を多く受け入れていました。
久保木被告は主に夜勤を担当していたようです。
職場では「仕事はできるが、潔癖症の変わり者」と思われていたようです。
2016年に連続殺人事件を起こします。
入院患者の点滴に消毒液(ヂアミトール)を入れるという手口で、3人の患者を殺害したことがわかっています。
しかし、本人は「入院患者20人ぐらいにやった」と証言しており、すでに自然死で火葬された患者の死に関しても、久保木愛弓被告が関与していた可能性があります。
久保木愛弓の犯行動機がヤバすぎる!
久保木愛弓被告がなぜ事件を起こしたのか、犯行動機が気になりますね。
犯行動機は、
患者家族に色々聞かれるのが嫌だった
ということでした。
自分の勤務時間に患者が亡くなると、亡くなった原因について家族に説明する必要があります。
家族への説明が面倒だと考えた久保木被告は、自分がいないうちに死んでほしいと考え、犯行を重ねるようになりました。
そのような思考に至ったのは、久保木被告に自閉症スペクトラムの特性があったことも影響しているようです。
過去に患者が亡くなったとき、同僚から自分の落ち度を指摘されたことや、患者の家族から怒鳴られて強い恐怖を感じた経験が、患者殺害の動機に繋がっていきました。
久保木愛弓の事件の背景に劣悪な職場環境があった!
連続殺人事件当時の大口病院の入院病棟は、とても劣悪な環境でトラブル続きでした。
- ペットボトル飲料を飲んだ看護師スタッフの唇がただれた
- 女帝が好き嫌いで患者の受け入れを決めていた
- 人事査定でえこひいきがあった
- 特定の人だけ忙しい仕事を回されたりした
- 看護部長は看護師たちをランク付けして扱いを分けていた
- いじめにより複数の看護師が辞職してした
- 看護師同士の対立が原因で患者のケアが疎かになっていた
- 見舞いに行った家族の前で看護師が患者さんを怒鳴りつけていた
- 女性看護師が別の看護師を怒鳴りつけていた
- 点滴袋が公共スペースに散見されていた
トラブルの数が尋常じゃない…この職場ヤバすぎる。。
女帝と呼ばれる60代のパワハラ看護士の存在が元凶となっていたようです。
そんな中、久保木被告もトラブルを起こすようになり、以下の4つについては、久保木被告自身がやったことを認めています。
- 看護師の筆箱に複数の注射針を刺した
- 白衣を切り裂いた
- カルテの一部を抜き取った
- 印鑑を壊した
久保木被告は、起訴前の精神鑑定で軽度の自閉スペクトラム症、起訴後の精神鑑定では統合失調症と診断されました。
元々の本人の気質をベースに、職場環境が犯行に大きな影響を与えたように感じます。
まとめ 久保木愛弓の生い立ちや経歴が壮絶!事件の背景に劣悪な職場環境があった!?
大口病院連続点滴中毒死事件の犯人、久保木愛弓被告の生い立ちや経歴、事件当時の職場環境について調べました。
久保木被告はごく普通の子供で、社会に出るまで大きなトラブルはなかったようです。
久保木被告の資質には、臨機応変な対応が求められるような職場は向いていなかったようで、仕事が原因でうつ状態に陥るなど、苦労をしていました。
事件を起こした大口病院の入院病棟では、久保木被告が事件を起こす前から、人間関係を中心とするトラブルが多発していたようです。